初めまして。
蝋燭(ろうそく)作家・灯人として活動している to to to(と と と) です。
鎌倉と岡山の二拠点で、蝋燭の制作・販売を行いながら、全国各地でキャンドルナイトやコラボイベントなどを企画しています。
ありがたいことに、最近ではいろんな場所で灯りを通じた出会いが増えてきました。
併せてブログを通じてこの活動を知っていただける人が増えたらと思い、文章でも発信していこうと思います。

この記事では、
- 蝋燭作家・灯人として活動を始めたきっかけ
- “to to to”という名前に込めた想い
- 蝋燭を灯すことで生まれる時間や気づき
についてお話しします。
蝋燭作家・灯人として活動を始めたきっかけ
もともと、暮らしの中でリラックスしたいときに蝋燭を灯していました。
灯りを見つめていると、心が落ち着き、時間の流れがやわらぐ感覚があったからです。
ここ数年、情報があふれすぎて、自分の意志で動いているのか、流れに飲まれているのか分からなくなることが増えたように思います。
誰かと比べたり、社会の“普通”の中で生きようとして、自分の心の声に蓋をしてしまう。
みなさんもそんな経験があるのではないでしょうか?
けれど、そうやって無理を続けていると、いつの間にか自分の声が聞こえなくなってしまう気がして。
だからこそ、「自分を取り戻す時間」を暮らしの中に持つことが大切だと感じるようになりました。
蝋燭の灯りには、その時間をつくる力がある。
そんな想いから、表現として蝋燭づくりを始め、今に至ります。
“to to to”という名前に込めた想い
“to to to(と と と)”という名前には、
「人それぞれの大切なものと共に過ごせる灯りでありたい」という想いを込めています。
人によって大切なものは異なるからこそ、こちらから押し付けるのではなく、それぞれの大切にしたいことを大切にして過ごしてほしいと思っています。
たとえば、
「余白と自分時間と音楽と」
「家族と団欒と食卓と」
そんなふうに、「と」と「と」のあいだにある“余白”に、その人の大切なものを当てはめて過ごしてもらえたら。
蝋燭を灯す時間が、自分や誰かと穏やかにつながるためのひとときになればと思っています。
to to to では、
- 作家として灯りの表現・作品をつくること
- 灯人(ともしびと)として、灯りのある時間を広げること
この二つの軸で活動しています。
蝋燭を灯すことで生まれるもの
イベントや販売の場で「蝋燭はもったいなくて灯せない」とお言葉をいただくことがあります。
しかし僕は、蝋燭は灯してこそ本当の価値が生まれるものだと思っています。
確かに、蝋燭は灯せば少しずつ形を失います。
でも、その過程で生まれるものがたしかにあります。
1/fゆらぎがもたらすリラックス効果
蝋燭の炎には「1/fゆらぎ」と呼ばれる、規則と不規則が混ざったリズムがあります。
これは川のせせらぎや木漏れ日にも見られる自然のリズムで、人の心を穏やかにし、集中力を高める効果があるといわれています。
灯りの中で生まれる“余白”
夜の灯りを最小限にすると、目に入る情報が少なくなり、心に静けさが広がります。
現代の暮らしは「見えすぎる」世界ですが、暗がりの中でこそ気づけるものもあります。
朝は朝の光、昼は昼の明るさ、夜は夜の暗さ。
そんな自然のリズムに合わせた暮らしの中に、蝋燭の灯りはそっと寄り添ってくれます。
空間に生まれるやわらかな時間
蝋燭の炎があるだけで、空間がやさしく変わります。
灯りの揺らぎが、まるで時間そのものをゆるめてくれるように感じます。
日々頑張る人の暮らしの中に、小さな灯りがひとつでも増えたら。
そんな想いを込めて、今日も蝋燭をつくっています。
最後に
蝋燭を灯す時間は、
「自分や大切なものと向き合う時間」であり、「やさしい空間をつくる時間」でもあります。
海外では蝋燭を灯す文化がある国もあり、それは仕事とプライベートとのON・OFFを切り替えたり、気持ち的な余裕につながっていると感じます。日本でももっと灯す文化が広がって、一人一人が自分らしくいられる平和な世の中になれたらいいなと思っています。
あなたの暮らしにも、灯りのぬくもりがそっと寄り添いますように。
そして蝋燭の灯りが日常を照らし、世の中が平和でありますように。
願いを込めて。

photo by 原田美羽
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